「理樹君理樹君」
「ん?なに?」
「おっぱい、いぇいいぇ〜いっ♪」
「…」
む。何が可笑しいんだ、理樹君。
すると理樹君はまるで風邪を引いた鈴君を心配するような眼で(見たことはないが)、
「来ヶ谷さんっ!辛いことがあったんだね?僕でよければ相談に乗るよっ!」
「…」
そこはかとなく相当失礼なことを言いやがったから、とりあえず断罪しておいた。


もういい加減来ヶ谷さんぶっ壊すの辞めないと断罪されそうSS『おっぱい台風(タイフーン)』


 「で、どうしちゃったのさ、来ヶ谷さん」
さっきまで私の足元で恍惚の表情を浮かべて気絶していた理樹君がむくっ、と起き上がる。
とんだ寝坊助さんだな。さっさと眼を覚まさないとオチまでに間に合わないだろう。
「何言ってるのさ…僕をこうした張本人が」
「…何か言いたいようだな?蹴りを受けたとき私の下着に一気に視線を注目させた変態理樹君」
「……えーと、ナンノコトデスカ?」
とぼけてもムダだ。
ムーンサルトが決まったとき、確かに彼の熱い目線は私のパンティに注がれていた。
「クロッチが熱視線で燃え尽きて恥部が露になると思ったぞ。そのまま妊娠したら理樹君の子だな」
「…来ヶ谷さん、そんな具体的な説明やめようよ…ここ教室だよ?」
「ええいうるさい黙れこの精液視線孕ませ男が」
「何か色々と理不尽だよっ!」
何が理不尽だというんだ。むしろ私の下着を見れただけ有難いと思いたまえ。
これが隣の真人少年なら今頃某天空の城を探す大佐の如く『眼が〜!眼が〜ッ!』となっていただろう。
「第一視線で妊娠なんてしないし」
「ふむ。この私を相手に性教育の補習授業か。理樹君も偉くなったな。どれ」
「そこでさりげなく僕のを触らないでよ!」
っち。ヘタレのクセに下半身の反応は早いな。
「反応が早いということは早漏だ、ということで断定していいんだな?」
「いろいろ遺憾だけどそういう話はやめようよ…」
ここ教室だよ。理樹君の声はどこかため息交じりだ。
「ふむ。エロエロ猥談を拒否するなんて理樹君本当に男なのか?付いてるものどこかに置いて来たのか?」
まぁそのほうがおねーさん的には嬉しいんだがな。
「はっ、まさか」
「…そっちの趣味は断じてないよ!?」
っち。強くなったな、理樹君。



「っはっ!こ、この波長の電波は……いいえ、何か美しくないです」
「みおちゃん〜?」
そんな話が中庭であったとかなかったとか。それは置いておくとしよう。



 「てか何でおっぱいなのさ」
「うむ。理由などない。彼らは理由を問うものにあらず。彼らは行いて死ぬものなり」
「意味が分からないんだけど…」
「つまり有無を言わさずやれ、ということさ。さもなくば死」
※厳密には兵士の責務の定義のことです!ったくこれだからウチのゆいちゃんは…。
「最近筋肉祭があっただろう?」
「あぁ…真人の」
そう。
あの事故から生還し、私たちリトルバスターズだけの修学旅行も無事終わった頃。
体育祭の応援合戦で、真人少年が大爆発したのだ。
「まさか会場が筋肉旋風(センセーション)に包まれるとは予想してなかったもんね」
「あぁ、まさに大爆発だった」
3年生のダラダラとしたやる気のない応援に業を煮やした真人少年が全員を突き飛ばした後。
『おい、テメェら!運動に必要なものは何だっ!』
その台詞に一瞬全員沈黙したが、すぐにクドリャフカ君が答えを出す。
『き、筋肉ですっ!』
『そうだ、筋肉だ!いいか、筋肉があればたいていの事は出来る!例えば…』
そして、校庭を貫き、校舎までぶち破るくらいの大声で…。
『筋肉いぇいいぇ〜〜〜〜〜〜〜〜いっ!!!』
刹那、会場は沈黙する。開催中の競技まで停止。
『筋肉、いぇいいぇ〜〜〜〜いっ!オラ、テメェらも続けっ!』
『筋肉、いぇい、いぇ〜〜〜〜いっ!ですっ!』
そしてクドリャフカ君まで声を出したかと思えば…。
『『『筋肉、いぇい、いぇい、いぇ〜〜〜〜いっ!』』』
3年生の席から恭介氏、そしてその友人達の声が響き。
ついには、縦割りチーム、1-E、2-E、3-Eから巻き起こった筋肉旋風は、学校中を席巻。
たちまち、会場が筋肉に包まれた。
あのときの『いい筋肉で闘おう』と白い歯を見せた真人少年は実に憎たらしかった。

 「で、おっぱい?」
「うむ。筋肉に小毬君や鈴君、クドリャフカ君を取られるのは実に遺憾だからな」
「…」
何か釈然としないようだな。
「そりゃそうだよ…小毬さんはともかく、鈴とクドは胸あんまりないし、逆に敵に回しちゃうよ?」
「ふむ…つまり理樹君は二人のおっぱいにメロメロ〜ンだったんだな。このエロ少年め」
「えっ!?」
うむ。焦っている焦っている。可愛いなぁ、理樹君は。



 「全ての巨乳は死ねばいい 全ての巨乳は死ねばいい 全ての巨乳は」
「み、みおちゃ〜〜〜〜んっ!」
そんな話が中庭であったとかなかったとか。まぁぶっちゃけどうでもいい。




 「おねーさんのおっぱいタイフーンで学校を席巻してみようと思ってな」
「…」
「何か不満があるのかね?」
「…不満を述べたら原稿用紙5枚分になるけど、いい?」
「書けるならな。国語の小論文テスト42点、がんばりま賞の理樹君?」
「…うぐぅ」
あぁ、可愛い…。
まぁそれは後で部屋にでも連れ込んで調教するとしよう。
「不満の一番大きいものとしては、何で僕なのさ」
「それは」
「うん」
「…考えてなかったな」
「…だろうと思ったよ」
む。何か知らんが理樹君に言われると非常に腹立たしいな。
「まぁ少なくとも理樹君があの体育祭におけるクドリャフカ君と同じ立ち位置、というところだろう」
「えぇっ」
「遺憾かね?」
「激しくね」
むぅっ。私が理樹君ならクドのペチャパイ美味しそうだよムッハー!となるのにな。
「それは来ヶ谷さんが倒錯してるからだよ」
む。私の心を読むとは、中々やるようになったじゃないか。
「……顔に書いてあるから」
「ふむ。ではずっと仏頂面でキミの前に座るとしようか」
「それはそれで不気味で怖いからやめてっ!」
「…何だと?」
「ご、ごめんなさい…」
あぁ、やっぱり可愛いな理樹君……私のバター犬にしてやろう。
「で、だ。手伝うか手伝わないか。あぁ、勿論答えは聞いていない」
「…無条件、なんだね」
「うむ。むしろ人権なんかないからな」
「さりげなく酷いよソレ!?」
いちいち五月蝿い犬だ。
ともあれ、とりあえず理樹君の協力を得られたな。ではさっそく行動開始だ。

 「で、理樹君」
「え」
「何から始めたらいいだろうか」
「…僕、帰っていいですか?」
「却下だ」
「えぇっ!」
今更何を言い出すかと思えばこのアマちゃんは。
「とりあえずたまには受け身ではなくて本気になって考えてみろ」
「うーん、そんなこと言われてもなぁ…」
「……いい案だったら、私のパンティとブラ、両方あげよう。無論今着けてる奴だ。それも脱ぎたて」
「…」
む。普段の理樹君なら『い、いらないよっ!』と本気で焦りながらツッコミを入れるくせに、多少揺らいでいるぞ?
むむむ。これでは調子が狂う。
「ねぇ…ご褒美の先渡し、ってダメかな?」
「…何を言いたい?」
「…先にくれなきゃ、考えられないよっ…」
「ぐはっ」
な、なんだこの破壊力は…。
「来ヶ谷さんっ…」
「あ、あぁ、了解した…」
きっと傍から見たら私の顔は相当紅かったに違いない。
かくして私は理樹君に促されるまま、教室を出た。


 屋上に続く階段の踊り場。校舎の中でも完全なる死角で、誰も上がってこない穴場だ。
「こ、ここで、いいよ」
「…」
理樹君が制止する。そして私に向き直る。
「ご褒美、欲しいな」
「…先に貰うのはご褒美とは言わないぞ…」
「それでも、いいよっ」
早く楽になりたいのだろう。パンパンに張った股間のテントも痛々しいしな。
「…」
私はまず、おもむろにスカートに手を入れ、そして。
ショーツを、下におろす。今日の色は、この間コマリマックスと二人で選んだ下着。ライトグリーンの可愛いやつだ。
私自身黒が一番好きなのだが、たまにはこういう色も悪くないと小毬君に促され、やむなく買ってみた。
それがまさか、こんな形で理樹君をモノにできるとは。
「く、来ヶ谷さんの…ぱ、んつ」
片足から抜くと、クロッチを見せつけるようにしてもう片方からも抜く。そして理樹君に近づくと。
「ふごぉっ!」
理樹君の頭に被せてやる。それも脱ぎたてのクロッチが鼻にしっかり密着するように。
「あ、それと済まない。いつもの癖でブラはしてなかった。いま思い出したんだ」
「…」
「分かったらそのパンツで遊ぶのは後回しにして…そうだな、まずは女子の制服でも…っ!」
言葉は続かない。
理樹君がいつの間にか私の目の前にいた。
そしてそのまま私の制服の上着をはだけさせ。
「ちょっ、り、理樹君っ!?」
「もう我慢できないよっ!おっぱい、おっぱいおっぱいっ!」
まるでそれが当たり前のように、私の胸に飛び込んでくる。そして、かすかに勃起した私の乳首を優しく口に含むと。
「んちゅっ、んちゅっ、んゅぅっ…」
「り、理樹、君っ!」
まだ母乳が出るわけでもないのに、赤子のように必死で吸い付いてくる彼にある種の母性すら覚える私。
だが悠長に構えてはいられない。このままでは見つかってしまうかもしれないからだ。
「り、理樹君っ、おっぱいはまだ出ないぞっ…そ、そのうち子供が出来たら出るようになるから、その時には真っ先に」
言葉は、続かない。
「…そっか、そうだよね」
「出ないなら、出るようにすればいいんだよ」
「理樹君?」

「僕っ、来ヶ谷さんを妊娠させるっ!」
「なっ…」
赤面して面喰っているうちに、私の体はいとも簡単に押し倒され…。



そこから先は覚えていない。
気がついたら私はまんぐり返しの姿勢にされたまま、理樹君の肉棒を膣に受け入れていた。
「はぁっ、はぁっ、やっ、あぁっ、らめ、らめ、もう、らめぇっ!」
呂律が回らないくらい突かれ、膣も子宮口も彼の精を求めうごめいている。
その気持ちよさに耐えかねた理樹君は、欲望を、私の中に放った。
「っくぉぉぉっ!」
雄たけび。そして、流れ込む熱いマグマ。
「ひゃぁっ…っ!はぁふぅっ、はぁっ、はぁっ…」
膣に流れ込んでくる熱い液体に脳みそが溶かされてしまいそうな快感を覚えた後、私の意識は本格的になくなった。
「はぁっ、はぁっ…元気な、赤ちゃん、産んでね」
「…」
返事すら出来ないくらいの快楽。
今一度、私の乳房を口に含むと、そのまま。
「おっぱい、いぇいいぇい」
あぁ、もう、どうにでもなればいい。
理樹君のたくましいモノ、それが私に赤ん坊を孕ませようとひたすらに私の中を暴れまわる姿に、ただ見惚れるしか出来なかったが、
行為の後、私の乳首をおいしそうに舐める理樹君の後頭部を撫でながら、出来てしまった場合の責任の取らせ方を考えつつ。
「おっぱい、いぇいいぇい」
うわ言のように囁いてみると、まだ私の膣にいた、理樹君の分身が無節操にも硬さを取り戻し…。
「え、えと、く、来ヶ谷さん…」
「…変態さんめ」
「…罵られてもいい…もう一回、今度は、来ヶ谷さんのお尻を見ながら、したいな」
「こんな変態の子供を宿すのかと思うと情けなくなるぞ、理樹君」
要はバックで入れたい、ってことだろう。まぁ気持ち良ければ問題はないが。
「後ろから突きまくって揺れるおっぱいを見るだけで、タイフーンが僕を叩き潰すよ!」
「本当に叩き潰してやろうか…おっぱいとはもはや関係が…っ、こら貴様っ、まだ私があふぅっ!」
「愛してるよ、唯湖さん」
「っ」
あぁ、そう言われたら抵抗できないではないか…。
かくして、バックから壁に手を着かせての立ちバック、片脚を持ち上げての立ちバック、駅弁(詳しくは辞書で調べてくれ…疲れた…)と
変則的な攻撃にさらされ、最後は理樹君の上で腰を振って果てた。仕込まれた子種の量は…。
「ごぽっ、って音がしたぞ」
「う」
「妊娠確定だな。責任はとれるんだろう?」
「う」
今ならごめんなさいで許してやるぞ、と付け加えてやると。
「…こんなに大好きになって、ごめんなさい、唯湖さん。絶対、幸せにします」
「ぐっ…」
「二人でおっぱいの素晴らしさ、布教していこうね」
「…」
あぁもうダメだ、抵抗できそうにない。
私はきっと二人の子が宿ったであろう下腹部を撫でると、理樹君を見つめて言う。


「とりあえず貴様は明日から女装で登校だ」
「えぇぇぇっ!」
有無は言わさない。
「どうせならとことん堕ちた、変態夫婦になろうな…」
小声で聞こえないように囁いてやると、ひんやりした階段の感触が、私から熱を奪うように肌にまとわりつく。
気付かなかった、この感触。肌で感じながら、私の下腹部に頬ずりする理樹君の頭を撫でてやる。
「理樹君は理樹君らしく責任を取ってくれればいいさ。私の幸せは、きっとそこにあるはずだからな。よく分からんが」
「また強がってる」
「強がりではないぞ。母の余裕という奴さ」
女は、母親になると強くなるものだからな。

 ちなみに、その後私は無事に理樹君の第一子を腹に宿したが、その時理樹君は。
「おっぱい修行でブラジルのリオのカーニバルに行った、だと・・・?」
「あぁ、少なくとも俺にはそう言ってたぞ」
恭介氏いわく、揺れる乳の素晴らしさの研究のため、日本を脱出したとか。
「不届き者め…政府に今すぐ鎖国するように指示しておこう…」
帰ってきたらお仕置きだ。私を身重にした責任と、逃亡に関してな。
【終わる】


あとがき

半ば寝ながら描いたからなんでおっぱい談義から子作りになってるかいまいちわかりません。
一応純愛濃厚ラブエロってことでご愛敬。
え、なに?もっと来ヶ谷さんのエロ見たいって?困ったわね。(誰も言ってない!
それでも見たい人は『かなり詳細なシチュエーション』を拍手したら考えなくもないわよ。(書くとは言ってません念のため。

にしても理樹君がバカになっていく過程が、最終的には彼をリオのカーニバルに招いたのは予想外でした。
もうそのままブラジルでも子種ぶちまけて来ヶ谷さんとひと悶着起こすか、そのまま現地で拉致されりゃいいのに。相坂でした。

【戻る】