久々、といっても一週間ぶりにエンジンをかけるクラウン。
ちょうど一週間前。まるで新婚夫婦みたいなノリで葉留佳さんと市街地にあるショッピングセンターに
買い物に行って以来。それに今回はなぜか来ヶ谷さんも乗車するという展開。
「ほら少年、さっさとアクセル踏みやがれ」
「…」
「あ、姉御?」
来ヶ谷さんが、運転席の僕の上に乗ってます(性的な意味抜きで)。
おかげで運転云々の問題じゃありません。おっきなおっぱいで前が見えません。
しかも、形のいいお尻を僕のコカーン・マグナムにこすりつけて…。
髪からは柔らかい感触と甘い香りがして、もう運転どころじゃありません。
「唯ねぇ、これじゃいつまでも出発できないから一時休戦、しよ?」
「それは聞けない相談だな。言っただろう?戦いは始まってると」
聞いてません。断じて。


理樹君の受難シリーズ第2回『理樹二回目の正直』


 「唯ねぇ、これじゃ海どころじゃないよ」
「問題ない。このまま理樹君が私の子宮を熱いスペルマの海に変えてくれるからな。はっはっは」
「いちいちオヤヂ臭いよ」
「…なんだと貴様」
怒るところが違いますが、来ヶ谷さん?
とりま、チャックを開けようとする来ヶ谷さんを宥めて、後部座席に移ってもらった。
「ちょっと待て理樹君。なぜ葉留佳君が助手席なんだ?」
「あー」
うん。ゴメン、ノリwwwwww
まぁノリと言ったら語弊が…あながちないかもしれないなぁ。
「とりあえず僕のサオの安全を優先してみたんだけど…」
「葉留佳君も狙っているのだからあまり意味ないぞ?」
「…」
言われて見ればそうだった。
「ま、まぁ、ホラ、葉留佳さん、普段から乗ってるから…あっ」
「ふっ」
ゆ、誘導尋問〜!?
「道理で乗った瞬間栗の花の臭いがしたわけだ。備え付けのダストボックスにはティッシュ。後始末はちゃんとしたまえ」
「…」
「…」
二人揃って顔を真っ赤にする。ケラケラ笑う来ヶ谷さん。
脱力感全開のまま僕は、警戒しながら車庫から車を出し、道を走り始めた。

 去年、今のアルバイトを始めてから作ったETCカードを、バイト先の先輩に付けて貰った、もらい物のETCに差し込む。
『(ぽーん♪)カードが、挿入されました』
「(ぱーん♪)ち○ぽが、挿入されました」
言ったのがどっちかは、察してください。
「ねぇ来ヶ谷さん、そろそろカンベンしてもらっていいかな?」
「うむ、却下だ」
あくまで車内をピンク空間にしたいらしい。運転とか景色を愉しむことは出来そうに無いなぁ。
ただ、正直役得だと思う。
見た目とテンションからは想像も付かないけど、とても家庭的で、尽くしてくれる葉留佳さん。
見た目とテンションからは想像も付かないけど(?)、モデル顔負けのスタイルとオープンな性格の来ヶ谷さん。
今回のイベントは、その中からどちらかを選ぶというもの。
正直、僕なんかの何処がいいのか分からない。だけど、少なくとも2人はこんな僕を好いていてくれる。
どちらかを蹴落とすことになる、悲しい運命がその先に待っていたとしても、僕は。
「…」
前に進むしかないんだ。
チラと、横目に葉留佳さんを見ると。
地図を見ながら、ルートを決めてくれているようだ。
助手席に乗せる人が、こんなにマメな人なら、とっても安心できる。
視線が、一瞬ぶつかる。
前を見ながら横目で、だから見つめてあげることは出来ない。だけど。
唇が、動く。それは、まるで。

『大好きだよ』

そう、語りかけているような気がした。
ルームミラーで見た来ヶ谷さんは、僕をニヤニヤと見つめながら、凄いスピードで携帯をいじってる。
あのしなやかな指使い。この間の水曜日、あの指で何度もシゴかれて、何度もイカされた。
ガラにもなく、メールの相手が気になる。
僕の知らない男なのだろうか。今日逢おうとかメールが来て、断ってる最中なんだろうか。
「…」
やっぱり僕は最低だ。
これからどちらかを選ぶというときに、葉留佳さんにも来ヶ谷さんにも揺らいでいる自分が。
でも、少なくとも久々に再会した来ヶ谷さんは、処女ではなかった。
もちろん、期待していなかったし、来ヶ谷さんクラスになれば、男は選び放題なのだろう。
葉留佳さんがヴァージンで、僕が最初の男、ってことだったから、それ相応の可能性を考えてたんだけどなぁ。
「…」
でも、それだって、セックスという手段を使って、深いところで繋がっていれば関係ないんじゃないか。
そう思って、やっぱり、と首を横に振る。
僕はきっと綺麗好きすぎるんだ。勝手に、来ヶ谷さんのメールの相手に嫉妬してるんだ。
快楽の道具として繋がっているかもしれない、と疑心暗鬼になってるんだ。
来ヶ谷さんの、何でもないくせに。そんな自分が大嫌いになりそうで、高速に乗るなり、加速。
でも、100キロ以上出せない臆病者。きっと事故死する可能性は低いだろう。


 首都高に乗り、JCTを通過、そのまま都内に入る。
「…」
来ヶ谷さんの通っている大学の寮が最初の目的地だ。
「えーと、ここだっけ?」
「うむ。関係者用駐車場で暫く待っていてくれ。すぐ戻ってくる」
「うん」
そしてとても綺麗な新築の寮の門をくぐる前、守衛さんに止められる。
来ヶ谷さんが学生証を見せて、すぐに出る旨を伝えると、通過の許可が下りた。
来ヶ谷さんはそこで降りる。僕はとりあえず、関係者用駐車場に…。
と、そのハンドルを葉留佳さんが止める。
「え?」
「…あっち」
葉留佳さんが指差したのは。
おそらく寮の本部と思われるところから死角になっている、大木の後ろのスペース。
確かにそこならクラウンくらいなら停車できるし、守衛さんからも死角になっているようだ。
「…あっち、停めよ?」
「え、あ、うん」
言われるままに、リバースでその場所に止める。
次の瞬間だった。
葉留佳さんはサイドブレーキをかけ、エンジンを止めた僕の手を確認するなり、まるで獲物を補足した鷲のように、
その細長く白い指を僕の股間にあてる。そして。
「んっ…」
「んむぅっ…」
奪われる、唇。
侵入してくる、温かい舌と唾液。
むくっ、と首をもたげる、僕のイチモツ。
手際よく、ベルトを外してチャックを下ろし、MYサンとご対面の葉留佳さん。
「…わぁ…」
「っくぅ…」
ウットリした目で見つめているところ恐縮ですが。
「ね、ねぇ、葉留佳さんっ!来ヶ谷さんが帰ってきちゃうよ!」
「…」
「葉留佳さ…くぅっ!」
それ以上は言わせない。そう言いたいのか、僕のモノをしごき始める。
そしてそのまま、唾液を垂らして、潤滑をよくすると。
独特のツインテールの髪を、僕のナニに巻きつけ、摩擦を激しくし始めた。
「うっくぁぁっ!」
腰が、ビクンっと震える。こんな経験、今までしたこと…っ。
葉留佳さんの髪でシゴかれてる。これって、俗に言う髪コキってやつなのかな…。
葉留佳さんのしましまニーソや脱ぎたてぱんつでシゴかれたことは何回もあったし、特に脱ぎたてぱんつでのパンコキは、
彼女の分泌した愛液と僕の先走りがキスしているみたいで、お互いウットリした目で見つめあいながら、局地的に熱を持ったものだ。
だけど、今回は体の一部。それも、古の時代より女の生命と同義と言われている、髪の毛で、だ。
それは遠まわしに『わたしの生命、わたしのすべて、理樹くんに捧げます』と葉留佳さんが髪を通じて語りかけているようで、むず痒い。
「…♪」
そして葉留佳さんの髪でだらしなく大きくなった愚息を見て。
「やっぱりおっきい。それに、わたしにジャストフィットなお○んちん…」
「ね。理樹くん。まず一発出しちゃお?これからロングドライブなんだから」
「…で、でも…」
躊躇。
ここを来ヶ谷さんに見られれば、何をするか分からないしされるか分からない。
もしもそれで葉留佳さんに何かがあったら…。
怖がる僕に、頬をぷーっと膨らまし。
「それなら、姉御が帰ってくるまでに終わらせればいいんだよねっ!」
ちょっと怒り気味に、僕の剛直をピンッ、と立たせると。
「かは…ぁっ!」
じゅるっ、じゅるっ、じゅぼぉっ!
聞かれたら相当恥ずかしい、バキュームフェラ。
これも、葉留佳さんの得意技だと知ったのは、何週間か前。
たまには、愛させて?そんな愛情たっぷりの言葉を囁いて、布団にもぐりこんだ葉留佳さんの攻撃だった。
健気に頭を振り、裏スジや亀頭、果てにはサオの付け根まで吸い取ってしまわないか、と心配になるくらいの口ま○こピストン。
音が怖いくらいに激しく、吸い取りも凄く強烈。腰が浮き上がることを制止できない。
死角とはいえ、いつ人が現れるか分からない状況に、僕の性的興奮はおのずと高まる。
それは葉留佳さんも同じようで、さっきから片方の手をスカートの中、ぱんつの中に突っ込んで弄り回している。
「んっ、んふっ、じゅぼぼぼぉっ…」
「くぁ…」
情けない顔になっているに違いない。
知っている人に見られたら、恥ずかしさのあまり自殺しちゃいそうな勢いの。
こんな男の、汚いところまで愛してくれる彼女。
じわっ、と涙のしずくを浮かべている葉留佳さん。その涙は嬉し涙?苦しくて出てる涙?
そんなことを聞く暇もなく、僕の脳ミソは、少しずつピンクに犯されていた。
もう、長くない。
そう察した僕は、いとおしむように、葉留佳さんの髪を撫でる。
さっきまで、僕を包んでくれた、柔らかくて優しい髪。
葉留佳さんの目の端が、微笑んだ気がした。
そのまま彼女もスパートをかけ始める。頭の動きが激しくなり、顎が外れてしまわないか心配になるような動きになる。
激しい愛情の奉仕に身を委ね、気が付いた瞬間には、僕は、彼女の口に子種を放出していた…。
「むごぉっ!」
強烈な射精を受け止めきれず、咽るか、と思ったけど。
「……んくっ、こくっ…」
少しずつ、分けながら嚥下していく。それが、まるで義務であるかのように。
「は、葉留佳さんっ!は、吐いていいよっ!」
「…」
聞く耳持たず、あくまで飲む。
その優しさに胸の奥が熱くなる気がした。あぁ、僕は愛されてるんだ、って。
そして、愛してくれるその人のぬくもりに甘える。
やがて、全部を嚥下し終えた彼女が顔を上げる。そして、口を備え付けのティッシュで拭うと。
「どう、だった?」
上目遣いで心配そうに問いかけてくる。
「すごく、良かった…」
「やはは…やっぱり理樹くん、えっちだ」
「葉留佳さんこそ」
言いながら、葉留佳さんの口や頬を拭う。葉留佳さんもそれに習うように、僕の力をなくしてヘニャッ、となった
陰茎をティッシュで拭いてくれる。これも、2人の取り決めだ。
---お互いを気持ちよくしてくれたところに、御礼をしながら綺麗にしようね---
ある日のセックスの後、葉留佳さんが切り出したこと。
そして、その約束を僕は履行している。
僕を幸せな気分にしてくれた、その優しくて温かい口に。


 と、軸線上に来ヶ谷さんの姿が見える。
「あ、葉留佳さんっ!来ヶ谷さんが!」
あっちからは車は見えていないようだ。だけどこの位置からは首をあっちこっちに向けて僕らを探す来ヶ谷さんが
手に取るように分かる。もしこの現場を見られたら…。
「…よしっ」
そこで葉留佳さんの拭きあげが終わる。
しかし。葉留佳さんは忘れていた。僕のナニを、パンツとズボン、同時に下げて出していたことを。
パンツを穿かせずにそのままズボンを上げ、チャックを閉める。
「〜〜〜〜〜〜っ!」
で、勢いでチャックを閉めたものだから、悲劇は起こった。
さようなら、ち○こ太守…。ってそれゲーム違う…。
なお、その後来ヶ谷さんからニヤニヤとされたのは言うまでも無い。お恥ずかしい限り。


 そして、また首都高に乗りなおし、目指すは南伊豆、弓ヶ浜ビーチ。
何でも来ヶ谷さんがいつもからかって遊んでいる大学の後輩の実家がこの辺で旅館をやっているらしく、
先日、友人と一緒に泊まりに行く予定を立てていたらしいが。
「その友人がドタキャンしやがってな。予約もキャンセルできないし、急遽メンバーが一人増えたとでも誤魔化して泊まろうと思ってな」
その友人というのが、さっきのメールの相手だろうか。男か、女か。
高速を飛ばしながら、ふとそんなことを考える。

 首都高から東名高速に乗り、そして厚木インターで降りて厚木小田原道路を使って行こうとすると、助手席の葉留佳さんが
とても耳寄りな情報をくれる。
「んと、厚木じゃなくて沼津で降りて、天城峠経由のほうが、道はちょっと狭いけど、近道みたいですヨ」
「へぇ」
それはイイコトを聞いた。沼津で降りよう。
そして同意を求めようとルームミラーで見た来ヶ谷さんの顔は。
「…寝てやがりますよ」
ため息。
よくもまぁ、こんなに節操なくいろんなところで寝れるなぁ、って。
すると葉留佳さんもそれが面白いのか、クスクスといつもとは想像も付かない顔で笑って。
「それだけ理樹くんの運転が信頼できるんだよ。わたしだって、助手席じゃなかったら寝てるし」
やはは、といつもと同じ笑い方。
「…ね。日本最初の新婚旅行って、坂本竜馬と奥さんで、霧島だったよね?」
「ん」
そんなことを切り出す葉留佳さん。真意を掴みかねていると。
「霧島は九州のほうだけど、伊豆だって温泉地だし、そう考えたら、これも、その」
新婚旅行、なのかな?
爆弾をばら撒くことが好きなようだ。そんな彼女を抱き締めたい衝動に駆られてしまう。
「ね、理樹くん。わたし、前に言ったよね?」
「?」
「わたしが気持ちよくて、絶対手放したくなくなったら、いつでもプロポーズして、って」
「…うん」
まだ、一桁くらいしか肌を重ねていなかった頃の、告白だ。
しっかり覚えている。本気で、プロポーズしそうになったことも含めて。
「ね。わたし、待ってる」
「…うん」
アクセルを踏み込む。その僕に寄りかかる葉留佳さん。
優しい髪の香りに、自分を押さえながら、僕は先を急いだ。


あとがき

さて、次回で一応?決着の予定です。
今回ははるちんの勝利ではるちんご褒美フェラだったわけですが(苦笑)
このまま決着、となっても面白くないので、第2回戦。
第3話で理樹の隣にいるのは、果たして…。


ただ、また1から投票だと、せっかく投票していただいた方々に悪いので…。

来ヶ谷 3票
葉留佳 12票

この時点からリスタートします。
最終回ってことは、濃厚な子作りえっちもあるかもしれないよ。
ってことで。

1.葉留佳か来ヶ谷かを決める
2.その選択に及んだ理由を書く
3.そして希望するプレイを決める

まだまだ逆転のチャンスはあります。みんな、がんばれっ♪
相坂でした。

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