くちゅっ。くちゅっ。
「ひゃぁっ…ぁぁっ…!」
「ほら声を出してはダメ。聞かれてしまうわ」
「っくぅ…」
絶対に聞くことの無い、粘膜質の音。
その音の根源は、本来、排泄のための、直腸の出口。
汚いものを出して、体を健康に保つための場所だと思っていたのに、なんでだろう。
そこは思ったより気持ちよくて、心が、カラダが、満たされて、ポカポカする。
声を出してはいけない、聞かれてしまう。
そう思って自分に枷を嵌めるたび『彼女』の指が私の直腸を嬲り、直腸の壁を擦り、乱す。
こんなだらしない顔をしているところを、お友達に見られてしまったらどうしよう。まだ頭ではそんなことを考える余裕がある。
ただ、次の瞬間、お尻の穴に挿入されている指が2本に増え、多少の痛みと同時に喉で痞える声を漏らす。
まるで、お餅かゆで卵を咽喉に詰まらせてしまったような、声にならない声。
さっきから、彼女は私の唇と、胸と、お尻の穴をいぢめている。
その指や、唇や、優しい吐息。
こんなにも酷いことをされているのに、逃げようと抵抗しないカラダ。正直なのだろう。彼女への、愛情が。
さっきから、ちょっとだけ恥ずかしいけど、気持ちいいお汁が止まらない。それに、何かヘン。
お尻の穴をいじられているのに、なぜか、お尻じゃなくて、別の部分が催してきてしまう。
性的興奮に慣れていない、未熟なカラダだから、だろうか。
早く、この人に満足してもらえるカラダになりたい。だけど、それはきっと叶わぬこと。
「お姉さまっ!おねえさまっ!!おねがいです!止めて、お手洗い、行かせてェッ!」
もう、誰に聞かれても構うものか、そんな感じで大声を出してみる。
どうせこの第2音楽室近辺には誰もいない。いたとして、男はまずいない。
私たちだけの、秘密の花園。
もうダメだ。膀胱というダムが決壊して、汚いものを出してしまう。彼女の見ている目の前で、出してしまう。
しかし、イジワルな人だと言うことは他ならぬ私が先刻承知だ。
案の定、彼女は堕天使の笑みで、私に怖い一言を囁いた。
「いいわ…このまま、漏らしてしまいなさい」
そして、彼女の指が届く範囲の直腸の奥、同時に彼女の指が私の淫核に触れたときだった。
「ひ、ひゃぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁっ!!!」
一際高い絶叫とともに、もう我慢できなくなった尿道口から、熱い湯気を立てて、私のダムから氾濫したモノが噴き出し、
それが綺麗な放物線を描いて、彼女が愛用しているコントラバスを濡らした。
止まらない。見られる放尿…おしっこが、こんなに、気持ちいいなんて。
「やぁっ、いやっ、やぁぁぁっ!」
とどまることを知らない、黄色い液体。大事な楽器が、私に穢されている。
ややあって、それが勢いを失くし、残った雫が私の太ももに僅かかかるころ。
彼女は、最高の笑みで私を抱き締め、言った。
「さすが、私の猫ね」
「…はいっ…ご主人…さまっ」
私の時計は、あの日で壊れていた。壊されたのではない、壊したのだ。
永遠に、この人と、一緒にいたくて。


オリジナルSS『Rough』


 「派手に汚してくれたわね…」
「…」
ちろちろと、舌先で自分が出したモノの始末をする姿は、きっと凄く情けないハズだ。
だけど、その命令に逆らえず、ただただ彼女の許しが降りるまで、後始末に邁進していた。
「聞いているの?」
「っ!」
バシッ。お尻を叩く、細くて柔らかい手。
その衝撃で私の顔はコントラバスの太い弦に押し付けられ、真っ赤な痕が残る。
「いやらしいメス猫のお小水で汚れた楽器で、私に演奏をしなさい、とあなたはおっしゃるつもりかしら?」
「…いえっ、決して、そのようなことは、アッ!」
無駄口を垂れる前に舌を動かしなさい!そう叱責しながら、さらに私のお尻を叩く細い指。
「うぅ……っ」
ちょっとしょっぱくて、イヤな臭い。こんなの、絶対に舐めたくはないのに。
絶対服従。本能が私にそう告げている。
「早くなさい!セッションに遅れてしまうわ!」
バシィッ!
痺れを切らした彼女が、コントラバスの弓の先っぽで、私のお尻と背中を叩いた。
「ひぎぃっ!」
赤くなるそこ。恐怖から大急ぎで舌を動かすが、やはり汚いものに変わりは無い。
「けほっ、けほっ、おぼぉっ!」
咳き込んで、更に叩かれる。
「使わない弓とはいえ、これ以上叩く労力と時間を無駄にしないで欲しいわ」
「は、はぃぃ…っ」
恐怖感と、叩かれることへの恍惚感。
私は、マゾなのだろうか。自分で自分にそう問いかけてみるが、答えなど見えてくるはずもなく。
ただ、彼女は、粗方楽器に付いた尿を舐め終えた私を後ろから抱き締めてくれた。
そして、頬を優しく撫でる、細い指が私を更に溶かす。
「あぁっ…」
「可哀想な子……こんなにお尻や背中を赤くして」
「……っ」
頬を撫でた指が、さっきまで鞭のようなコントラバスの弓で叩かれていた、私の背中やお尻のアザを擦る。
あなたがしたんでしょ、なんて言葉が出てこない。何故かは、私の脳では分からない。
その代わりに、彼女は、私を包んでくれるから。
「んっ…」
「んんっ…ちゅぴっ…ちゅぅっ…んむぅ…」
熱いキス。私の口の周りに残っていた尿を舐め取るように、まるで雛鳥をいとおしむ母鳥のようにキスをする彼女。
「愛してるわよ…美優」
「はぃ…っ、ご主人さま…っ…華琳、さまっ…」
穢れなき黒い双眸が私を見据える。植えつけられる、奴隷としての意識。
もう、どうして、こんなカラダに…っ。


 誠林(せいりん)女学園。
慈悲と寛容を教育の主軸においている、新進気鋭の女子校だ。
歴史はまだ浅いけど、確固たる教育方針、そして可愛らしいワンピースの制服から、毎年競争倍率が高いことでも有名。
そんな学校に興味を持ったのは、それこそ中学3年生の夏のことだった。
友達から誘われた体験入学。私はそのとき、県立の普通の学校でいいや、なんて思っていたから、その友達が言うような
『私立のお嬢様学校』なんて興味もなければ縁も無いものと思っていた。
そんな程度の気持ちで、足を踏み込んだ誠林女学園に、興味を惹くものがあった。
私は当時、吹奏楽部に所属していた。半ば幽霊部員みたいな感じだったけど、ちゃんと自分の楽器はあったし、演奏のチャンスもあった。
別段音楽は好きじゃないけど、楽器をいじれるという時点で、多少は好奇心を満たしていた。
そんな私にとって、次に行き着く場所としたら、このまま別の部活動に所属するか、どうするか。
ただ、県立の学校には公立ゆえの欠点…資金不足で大規模な吹奏楽部が作れない、作れても保護者会からのカンパ頼み、という現状を
近所のお姉さんから聞いていたから、高校に進んだら音楽から縁遠い生活になると覚悟していたのに。
やはり私立ゆえだろうか。県下最大規模の音楽部…それも管弦楽…オーケストラ部を持っていたのだ。
勇壮なトランペットの音に、鋭く切り裂くような音色のヴァイオリンが合うなんて、当時の私は耳で聞いて凄いと思いながらも、本当に合うんだろうか?
別次元のものなんじゃないか?と疑問を持っていたのに。
友達と別れ、自由に歩き回っているとき、その柔らかな調べを校舎の各所で聴けた。
なんでもこの学校の一番の目玉は、やはり管弦楽部だという。それ故に色々な場所での練習が許されているというのだ。
ある部屋では、弦楽四重奏の練習をしていた。夏の大会に出る予定で、コンクールとは別働隊での練習をしている、と言っていたはず。
曲名は確か…チャイコフスキーの『弦楽四重奏曲第1番』の第2楽章『アンダンテ・カンタービレ』。
学校のお昼の放送で流れていたから、それとなく覚えている。だけど、あれを生で聴けるチャンスなんて今まで無かったし、素人の耳で聴いても、
確かに感動出来る旋律だった。

 音楽が好きではないけど、こんなに楽器を自由自在に扱える人たちがいる学校。
アンダンテ・カンタービレで心がだいぶ軽くなった私は、練習の邪魔をしてはダメだと思って、廊下に戻り、また歩き出す。
遠くで聞こえる、勇壮なトランペットとトロンボーンの音。金管楽器の花形だ。
当時の私はフルートを担当していた。可愛い、というのが第一印象だったし、音が、まるで上質なガラスで出来たビンに音を吹き込んだときのように、
柔らかく軽いそのメロディに惚れてしまったから。
ただそれは楽器次第だと気付かされたのは、皮肉にもフルートパートに配属になった後。
私に回ってきた楽器は、先輩達が使っているような有名メーカーのものではなく、フルート志願者が思ったより多く、急遽倉庫から引っ張ってきた骨董品。
キーは緩かったし、音は素人の耳でも最低。まるで気泡だらけの素人が作ったガラス瓶の音色のような、音楽に対して心底がっかりさせるような音だった。
私が幽霊部員同然になっていたのは、そんな恥ずかしい音を友達や、まだ見ぬ彼氏に聞かせたくなかったから。
…彼氏は出来なかったけど。
だから、みんな凄い楽器を、手の指のように自由自在に操っている彼女らに驚きを隠せなかった。
そんな時だった。
中庭の一本の大きな木。
そこの下に教室から持ってきたのか、背もたれ付きの椅子を置き、大きな弦楽器をその椅子に立てかけている人がいた。
その人は、肝心の楽器をそのようにして、自分自身は木の下に腰掛け、小説を読んでいるようだった。
「…」
何してるんだろう。
黒くて長い髪。みんな丈の多少短いワンピースを着用しているのに、彼女だけ、膝が隠れるか隠れないかくらいの長いスカート。
手には、全然練習する気はないのだろう、腕までカバーする長い手袋をしていて、片時も楽器に目をやらない。
本当に、何がしたいのか分からない。
でも、自然にその人に足が向く。
まるで、幽霊部員…むしろ練習しないのなら来ないほうがいいんじゃないか、と思えるくらいの幽霊部員ぶりが私とどこか似ていたから。
「あの…」
「…何かしら?」
ふと、吹く筈の無い一陣の風が、私たちを通り抜けた。
それが、お姉さま…ご主人さまとの出会いだった。


 意を決し、帰宅後、両親に誠林で見て聴いたこと、そしてそこに通いたいことを伝える。
ただ両親は仕事一辺倒な人たちで、うわ言のように『うん、うん、好きにしなさい』と答えるだけ。
よくこんな両親で非行少女にならなかったものだ、と自賛したくなる。もっとも、今の私は…。
そんなこんなで、本当にいいの?本当だよね?と何度も確認したうえで、3年生の終わり、願書を提出した。
友達が言っていた。あの髪の長い女の人のリボンは赤。赤はその年の2年生の証だと。
無事に入学できれば、相手は3年生。私は1年生。
吹奏楽部に入部したときのように、最初の半年は基礎訓練と称してだいぶいぢめられることになるだろう。
だけど、もう心は決まっていた。
---あの人に会えるのなら、一緒に練習できるなら。私は、コントラバスでいい。
背が低くて、きっと向かないに違いない。それでもいい。それは後から伴うものだと信じているから。
今は、そう。あの人にもう一度会いたい。

 受験の当日も試験時間の間の休憩時間を使って彼女を探してみたけど、結局合えなかった。
在校生は受験当日は休みだというのだ。神様も酷なことをしてくれた。
競争率の激しい学校。受験生はいっぱいいた。この中で勝ち残れるのだろうか。そう思えると不安だったから。
もう、二度と会えないかもしれないのなら、せめて、もう一度。
願いながら、見下ろしたあの中庭の木。
…主の無い木の下の石が、今は雪に埋もれて、静かに佇んでいた。

 結果は、合格だった。
我ながらあっけない展開に、最初は茫然自失していたが、友達が落ちた代わりに、合格した私。
早速管弦楽部に申請書を出す。ここもまた、大人数の部活で、志願倍率も高い。
県どころか国内の有名大会に出場した(入賞はしていないらしいけど)と鼻にかける根っからのお嬢様や、
絶対音楽には向かないような、極めて音痴で声の小さい子まで、幅は広く、人材に事欠かなかった。
運動部と同じで、補欠とレギュラーがあるこの管弦楽部。レギュラーになるためには練習をたくさんして、先輩を越えるしかない。
あの物静かな女性を越えるのは、簡単だ。だって、練習している様子はなかったもの。
だからこそ、それを知る私はコントラバスを志願した。幸か不幸かコントラバスは私一人。
知り合った仲間達からは『あんた正気?』『絶対後悔するよ!』と言われながら。
それはどうか分からない。だけど、会えるなら。
果たして彼女は、そこにいた。
雪解け間もない、女の子のお尻にはちょっと大きすぎるくらいの石に腰掛け、いつものように楽器を置いて。
「あ、あのっ!」
「…あら、あなたいつかの」
「…はいっ!私、今日からコントラバスに配属になりましたっ!よろしくおねがいします…っ!」
「…」
答えは、ない。
私に興味が無いわけでもなく、一瞬だけ会釈をすると、また本に目を落とした。
「…」
一瞬で、何かが崩れた気がした。
この人に逢いたくて頑張ったのに、この人は私に興味が無い。
悔しくて、そこを去ろうとすると。
「まず、弾いてみなさい。音楽である必要は無いわ。ただの音として、あなたの全力を、私に届けなさい」
背中に掛かる声。振り返ると、相変わらずその人は本の虫だけど、楽器はまるで、私を呼んでいるようで。
私は、楽器に手を掛ける。そして、傍らの弓を手に取る。
松脂の臭いが、鼻腔をくすぐる。楽器としては吹奏楽部でも見ていたが、手に取るのは初めてだ。
「…」
緊張する。失敗したらどうしよう。怖い。
それが出ているのだろう。手が震えた。
すると、ふと私に重なる吐息。
…横を見ると、本を読んでいたはずの彼女の姿はなく。
手は、私に添えられていた。
「ほら、震えてはダメ。音は奏者の震えと恐怖を顕著に表現してしまうわ」
「…はいっ!」
厳しいながらも、柔らかい声色。
うっとりするとうな、甘い香り。お嬢様なのか、使っているコロンはきっと高級品に違いない。そんな香り。
無意識に、動く手。弓は確かに弦を捕らえ、音色を奏でていた。
「全ての根幹たる低音楽器。あなたは音楽の基礎を作っているの。誇りを持ちなさい」
「低音楽器が誇りを持てない管弦楽団など、烏合の衆でしかないわ」
「…はい…っ」
私の心は、それどころではなかったけど。
誇りを持つように、いとおしむように。その手は確かに、弦を、彼女の声を、捕らえていた。


 そんな日々が慌しく過ぎる頃。
先輩…九条院 華琳(くじょういん かりん)様は、相変わらず言葉数は少なかったけど、密度の濃い、それでいてしっかりとした、
理想どおりの練習をしてくださった。授業が終わり、すぐに私たちだけのために用意された木の下に向かい、練習。
やがて夏の日差しが強くなり始めると、別館にある、冷暖房完備の第2音楽室に練習場所が変わる。雨の日も、ここ。
ただ、他のメンバーが雨の日は廊下や一般教室で練習するのに、なぜコントラバスパート、それも2人しかいないこのパートに
第2音楽室が宛がわれているのか。理由はすぐに分かった。
ピアノのふたの裏に『九条院』と彫られているのが見えたから。
「…お祖父様が、寄贈されたのよ。このピアノも、この部屋も」
だから、みんな無意味に遠慮して近寄ってこない。もとより、華琳さまと仲良くなれるなんて、誰も思っていないかのようだった。
こんなに素敵で、優しい人なのに。
「ねぇ」
「は、はいっ」
不意にかけられる声。華琳さまは、いつものように、無表情で言った。
「楽器の整備をお願い。今日は、もう帰るわ」
「は、はい…っ!」
せっかく練習がいいところまで行ったのに。ピアノの話なんかしたからだろうか。
相変わらず、空気が読めてないなぁ。なんて思いながら、さっきまで華琳さまが握っておられた、コントラバスと弓をドア一枚向こうの、
隣接する保管庫に持っていく。重い。小さな私の体では倒れてしまいそう。
でも、これしきのことが出来ないのなら、いつまでも華琳さまを越えるなんて出来ないから。
そして、楽器を専用スタンドに立てかける。任務完了だ。
「…」
でも、ホントによく整備されている。
練習後の手入れも、大事な仕事だと華琳さまも仰っていた。
だから、私もそれに習おう。
そうして拭き上げ用のクロスを手に取ったときだった。
…これは、さっきまで華琳さまが触っていた、弦と、フィンガーボード。そして弓。
「…」
生唾、とはこういうことを言うのだろう。静かな部屋に、その音だけがイヤに響く。
「…」
お姉さまが握っておられた、弓。
その付け根を、いとおしむように舌で、唇で、おしゃぶりする。
はしたない。こんな姿、誰かに見られたら破滅なのに…っ。
だけど、舌が、唇が、手が、止まらない。
やがてその手は、ワンピースのスカートを捲り、まだ誰にも触らせたことのない、えっちをするところをショーツの上から撫でるに至る。
薄い水色の、お気に入りのショーツが、自分が出した液体でヌルヌルになってシミが出来ていく様。
「華琳…おねぇさまぁ…っ…」
私が入学するまで、彼女がどれくらい、この弓を触ったか分からない。
だけど、さっきまで触っておられたのは本当だから。
下着の上から、さっきまで舐めてた弓の持つ部分を宛がい、上下に擦る。
「はっ、はっ…はぁっ、はぁぅっ…あふ…っ」
これが、華琳さまの指だったら、私はどれだけ幸せ、だろうか。
「っくぅ!」
自慰自体は、初めてじゃない。だけど、こんなに自分が変態なのかと、自分に嫌気が差していると。


「あら。忘れ物を取りに戻ったら、後輩の思わぬ姿を見てしまったわ」
「!!!!!!」
彼女が入ってくるのと、私が絶頂に達するのは、ほぼ同じタイミングだった。
「あひぃっ。はふぅっ!」
びくんっ、びくんっ。
絶対に誰にも見せると思わなかった、一人えっちでの絶頂。
「しかも人の楽器でよくもまぁここまでハレンチなことが出来るわね」
いつもより口数の多い彼女は、まるで新しいおもちゃを買って貰った子どものように輝いていた。
その玩具は…私。
「やぁっ!」
「ほら、見せなさい。私の弓で濡らした、はしたない穴をッ!」
「や、やめっ!」
軽くひっくり返され、紙おむつを替えるような姿勢にされ、両サイドの紐を解かれた。
「紐の下着なんて、はしたないけど、こっちの穴も相応にはしたないわね」
「やぁぁっ!」
顔を覆う。もう、何も見たくない。
今私は、下半身を生まれたままの姿にされ、将来大切な人の赤ちゃんを産む穴を視姦されているのだから。
そんな私に、更なる無慈悲な声が掛かる。
「いけない子には、お仕置きね」
「えっ…」
そして彼女の手は、私の力をなくした手から、その弓を奪う。
私の恥部を何度かスライドさせて、私のえっちで恥ずかしいお汁を弓の持つ部分に塗すと。
「ひっぎぃぃぃっ!?」
その部分は、私のお尻の穴に、吸い込まれていった。
「清廉な乙女の純潔を、こんな無粋なもので奪う気はないわ。ただし」
「最高の屈辱から生まれる快楽を、あなたの体に叩き込んであげる」
「ひ、ひゃぁぁぁぁ!!!」
お尻の穴の初めてを、弓に奪われたことがとてもイヤで、でも、抗えなくて。


 そして、今。
「それでは、セッションに行ってくるわ。あなたは帰ってくるまで、それを外してはダメよ」
「はい…っ」
お尻の穴に、さっきまで私を叩いていた弓が刺さっている。
仮にもし排泄を催しても、絶対に抜いてはいけないと仰せつかったその弓。
馬の尻尾で出来た弦の部分は外してあって、樹脂で出来た部分が堅くて痛い。
でもまるで猫の尻尾のように長いそれをお尻に刺したまま、お尻を振って『いってらっしゃいませ』のご挨拶をする。
華琳さま、ううん、ご主人さまは、優しく柔らかい笑顔を向けてくださる。
そしてドアが閉まると私は、弓をお尻に入れたままでさっきの粗相の後始末を続けるのだった。
いい子にしていたら、ご褒美がもらえる。今日は、どんな辱めを受けられるのだろうか。
私の興味は、もう楽器ではなく、女から愛される女のカラダという、一つのテーマに固定されていた。


あとがき。

『ぽかぽかになる作品』ってことで注文いただいてましたが、こんな感じでいかがかしら?
ってことで完全なオリジナルです。題名をRoughにしたのは、粗雑な落書き、ラフスケッチのごとく、
相坂の感情や、リトバス等々のSSで出来なかったことをやってみる、という意欲的な(かなり誇張アリ)作品という意味です。
さて、今後この美優ちゃんがどうなるのか、ってのを描いてみたい感じもありますが、評判どうかしら。
そこで。
もしも続きが見たい、と思われたらとりまWEB拍手ね(結局それか!)
オリジナルゆえにキャラを考えなくていいし、どんどん壊していけるから、通常より執筆は早いと思います。
みんなで美優ちゃんがどんどん壊れていく姿、見てみませんか?なんて。相坂でした。

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