愛情を直球ストレートで投げ込んでくる妹。
狼狽しか出来ない兄。そして、何より。
「わたしは、お兄ちゃんだけいればいいもん」
「…」
こんな兄を、大切にするあまり、誰とも仲良くしようとしない妹。
…僕は、壊してしまっているのだろうか。妹の幸せを。


コレ書く前に安玖深さんの声聞いてました理姫SS『It's gonna Sunny!!!-晴れたらイイねっ♪-』


 その週は、ヤケに日曜日が来るのが早すぎた気がする。
それは、楽しみにしていたから、とかではないのは他ならぬ僕自身が良く知っている。
…色々ありすぎたんだ、色々と。

 朝はキスをしようとする妹に貞操の危機すら感じて飛び起きる。
そのまま支度をしようとすると目の前で着替えだす妹。目をそむけると『いい加減慣れなきゃダメっ♪』と
あの天使のような笑顔を向けてくる。いや、妹の着替え観察なんて絶対慣れる気ないんだけど。
ただ、最近変わったことがある。
…お弁当を作ってくれるようになったこと。
昨日の昼も、屋上で小毬さんと理姫、僕で過ごした。
『いつもゴメンね。無理しなくていいからね』と気遣う僕。
ただ、妹はあくまでも爆弾をばら撒く爆撃機だった。
『いいのっ。前も言ったでしょ?』
そうだ。その時嫌な予感を感じてた僕。口をふさげばよかったのにさ。
『妹は兄と人生の大半の時間を過ごす、言うなれば奥さんみたいな存在なんだから♪』
『…ほわぁっ』
小毬さんも目を丸くしてた。絶対ヘンな子だって思われてるよ、僕も理姫も。
…まぁ小毬さんだし、案外『微笑ましい兄妹』だと思ってくれてると思う、むしろそう思いたい。
……だってそのときの小毬さんの反応。
『ちちちちち血が繋がっててもばっこん☆ばっこんで赤ちゃんカムカムってことですね〜』
……もう、勘弁してください。

 勿論その後、僕が男子から追い掛け回されたのは言うまでもない。

 ただ最近思うことがある。
理姫はここのところ、ずっと僕とだけ一緒にいる。
「〜♪」
今日だって、洗濯物を片付け、掃除をしている彼女に、友達からメールが来ている様子はない。
昨日だってそうだ。昼休みが終わり、放課後になっても、僕のそばから離れなかった。
それはリトルバスターズの久々の練習のときもだ。
昨日は恭介の『ストラックアウトをしよう』という突然の提案で、なぜかみんなで準備をして、
一部暴投してなぜか謙吾と真人が被弾していたけど、楽しく過ごしていた。
だけどそんなときも理姫は参加するでもなく、かといって同じく木陰から見守る西園さんと話すでもなく、
僕が投げ終わると駆け寄ってきて水分補給、アイシング、汗拭き。
わたしはお兄ちゃん専属のマネージャーさんだから。それだけ言って参加を促す恭介をかわす。
「…」
「ふんふ〜ん♪」
誰もそんなこと、望んじゃいないのに。
普通に友達を作って欲しいのに、さ。
 それに、ここ数日間、まともに鈴と話をしていない。
『特定の彼女はいない』と彼女の前でウソをついた罪悪感から?いや、違う。
純粋に、彼女が離してくれないだけ。
「お兄ちゃん、お掃除終わったら家電買いに行こうね」
「う、うん…」
今日の部屋着は薄いピンクのノースリーブと、白のデニムのショートパンツ。
ここから見ると、形のいいお尻がよく分かるって何言ってるんだろ僕。
「〜〜〜♪」
寮生共有の掃除機を使って、御機嫌にフローリングを掃除していく。終わると、窓拭きまでしそうな勢い。
「ねぇ理姫。そろそろ行こうよ」
「え、でも窓拭きまだだよ?」
「それは今度でいいと思うよ」
「え〜」
あくまでも完ぺき主義なのだろう、最後までしたいと言う彼女だが、時計は既に午前9時半。
「そろそろ出ないとあっちに着くの、昼過ぎくらいになっちゃうよ?」
「う〜っ」
どうせ理姫のことだから体力的な問題からいろんな店を見て回ることは出来ないと思うけど、代わりにじっくり悩むと思う。
それゆえに早めに出ておかないと、帰りに間に合わない。
それに、早めに決めておけば即配(即日配送)や翌配(翌日配送)など、枠がだいぶ落ち着くだろう。
長い時間待たされてもアレだし。
「話は寮長に通してあるけど、出来るだけ早い配送じゃないと寮長に負担掛かっちゃうしね」
家電一式揃えるので許可を下さいと言ったときの寮長の第一声、『そんなお金あるならあたしに貸してよ』だったもんなぁ。
笑いながら『冗談よ』と言ってたけど、目が笑ってなかったしね。
…多分エリア的に即配は無理だと思うけど、場合によっては翌配はありえるし。
そうと決まれば、と顔を洗うついでに着替えをしようと、準備されていた服を手に取る。
…勿論準備していたのは、理姫だ。
「今日の組み合わせは、こないだのマンガの主人公っぽくしてみました♪」
「…」
あぁ、黒のドクロ付きTシャツに、ユーズド加工済みの鎖つきデニムカーゴパンツ。ちゃっかり鎖のペンダントまで。
「ほら、鎖って感じだし」
「…」
な、なんか、僕には首輪にしか見えないんですけど、この鎖。
…そんな性癖ないからねっ!?
「…♪」
早く着替えて、早く着替えて、と目をうるうるさせて目線攻撃。
「ぐっ」
それに耐えながら、僕は脱衣所のドアを閉めて鍵をかけた。
「お兄ちゃ〜ん!あけてよ〜っ!」
ドンドンドン。ドアを叩く音。
うん、無視だ無視。
「…」
すると、ジャージのポケットのバイブが鳴る。あぁ、メールだろう。
「…鈴からだ」
久々のメールに驚き、すぐ受信メールを開く。

From:鈴
Sub:最近
本文;
メールくれないな どうした

…そう言えば、メール以外にも、話しかけたりも…。
「…」
今は妹の世話で忙しいから、またお互い落ち着いたら、いっぱい話そうね。メールはいっぱいしていいよ。
あくまで他力本願な文章をメールにして送っておく。そして、着替える。顔を洗う。その動作を終わらせ、
外に出る。
「…」
「あっ…♪」
妹も、お着替え中でした。


 あくまで見せたがる妹なのだろうか。それとも単に無防備で無頓着なだけなのか。
そんな彼女だが、今日はいつもより少し長めのスカート。そして出発前にさらにスパッツを穿いていた。
そういう意味からガードは堅いようだ。
そして駅までのバスに乗るときも、上手く僕に隠れていた。
…痴漢対策なのだろうか。なんて考えてみる。やっぱり兄の僕が贔屓目に見ても凄く可愛い理姫だ。
そういうことに遭わないように警戒しているのだろう。
「…♪」
ただ、バスが揺れるたびに僕の頬にキスするのはやめてください。後生ですから。
薄くルージュを塗っている唇。キスマークが出来てないか心配だ。
それから駅に着くと、二人分の切符を買い、東京までの急行に乗る。1時間も掛からないくらいの立地条件だ。
「…」
休日だというのに電車は相応に空いていた。都心は公共交通機関のほうが移動には適しているけど、
その都心に向かう電車がこんなに空いていていいのだろうか。
「…」
「…♪」
僕たちが乗っているところは、ほぼ席は埋まっていたが、立っている人は誰もいない。
理姫は腕を絡ませ、頭を僕の肩に乗せる。
「あったかい…」
「理姫…」
ふと、思いついて髪を撫でる。シルクの肌触りの、優しい髪。
仔猫がくすぐったがるように首を引っ込め、そしてまた気持ちよさそうに頬擦りする。
「…」
「♪」
ところどころから向けられる、温かい目と、冷笑、殺意の篭った瞳。
目的地に到着する前にダウンしそうだけど、とりあえずは、まぁ…いいか。
僕は心行くまで、彼女の髪を弄び続けたのだった。

 無事に急行電車が東京駅まで到着し、そこから山手線に乗り換えになる。
「…」
だけどさすがに山手線は凄く混み合っていて、この中に入るのか、と思うと気が滅入る。
「…」
それに、僕だけならまだしも、今日は理姫がいっしょだ。あの中でヘンな空気でも吸ったら…。
「そうだ、タクシーで行こうか」
「でも、お金掛かるよ?」
「いいよ、余分にATMで下ろしてきたし、大丈夫」
本当は欲しいモノがあったんだけどなぁ…。
だけど、妹のためなら、これくらい。
恭介、今なら何となく分かるよ、恭介の気持ち。
「…お兄ちゃんに、触られたかったなぁ…」
「え?」
「う、ううん、なんでもないよっ♪」
ワタワタと焦りながら手を振る。首を傾げるしか出来ない僕。
よく分からないけど、まぁいいや。僕はタクシーを一台止めた。
 さすがに道路も程よく混んでいたけど、運転手さんを除いて二人だけの車内は凄く快適だ。
多分あの人ごみの中なら3分も持たなかっただろう。
「…お兄ちゃん」
「ん」
手が、そっと重ねられる。
「私の身体、気遣ってくれたの?」
「…まぁね」
本心は、ただ庇いたかっただけじゃない。
無垢な彼女の身体が、もし万が一僕の知らない男たちに触られたり嬲り物にされたら…。
そう思うとゾッとして、やっぱりこの方法が安全なんじゃないかとタクシーを選んだだけ。
つまり、その…。
独占欲、とはまた違うし、保護欲、ともまた違う。なんとなく、ヤキモチ、に近いのかな?
そんな気持ちを吐露できずにいると、指が絡んでくる。
「やっぱり、お兄ちゃんを信じててよかった。ちゃんと、守ってくれるんだもん」
「…」
僕の本心を知ったら、彼女はどう思うんだろう。少し不安になりながらも、絡まった指を振りほどこうとせず、
あくまでも、彼女に委ねていた。


 近くで降りて、そのまま秋葉原へ。
「…さすがというか、何と言うか」
「…」
実は理姫も僕も、昔の情報しかなかった。
日本一の電気街。
だけどその現実は。
「…ゲームショップとかフィギュア屋さんばっかりだねぇ…」
「…ところどころに電機屋が見えるけどね」
パソコン専門の店とか…ね。
と、すぐ近くに電機屋が見つかる。とりあえず、そこに飛び込んでみることにした。
…これ以上、何か濃い人たちの衆人環視に晒されたくないという気持ちもあったから。
明らかに場違いだしね、僕たちが出してる空気。

 「いらっしゃいませ〜!」
威勢のいい声が入店直後の僕らに浴びせられる。
店内は休日ということもあり込み合っていた。あちらにこちらに、黒いベストを着た店員が呼ばれ走る。
「…凄いね」
「うん」
理姫もこれくらいの反応しか出来なかったが、このままでは配送枠が埋まってしまうかもしれない。
大急ぎで店員さんを呼び止める。
「あ、すみません」
「はい。いらっしゃいませ。どうかされましたか?」
メガネをかけて、シャギーが軽く入った髪の女性が振り返った。
…この髪型、スプリングレイヤーって言うんだって。
ふと、胸元の名札を見ると。
『家電 フロア長 あいさか』
…あぁ、どっかで聞いた名前なのはちょっと置いておこう。
「あ、えと、僕たち、家電製品揃えたいんです、一式」
「あぁ、シングルですね。はい、それじゃご案内しますね」
それだけ伝えただけなのに、すぐに手際よく準備に移るあいさかさん。
差し出されたのは『シングル用 まとめ買いリスト』
「これは?」
「えぇ。これを持って店の中を回って、欲しいと思ったモノの型番を記入いただいて、満足されたらおよび下さい」
その後、配送設置のご案内や料金案内をいたしますので。それだけ伝えると一礼して彼女は去っていった。
…無線に向かって「あんた何言ってんのよ。えぇ、ちゃんとしなさい!」とか怒りながら。
「…なんか、アレだね。ちゃんと案内して欲しいなぁ」
「…ほら、付きまとわれて決めるより、この方が僕たちの意志が反映しやすいし、結果オーライじゃないかな」
いちいち小物とかで営業社員に付きまとわれて売りつけられるのはイヤだしね。
…我が弱い僕たちだから、何売りつけられるか分からないし。抗うこともできないだろう。
「それにほら、フロア長って書いてあったから色々忙しいんだよ」
「それは…理由にならないと思うよ」
ちょっと頬を膨らましながら言う。ただその怒りは、あいさかさんではなく、僕に向けられていた。
「…むぅ〜」
「…」
多分見とれていたのバレたんだろう。反省。
かくして僕は理姫を伴い、店の中のいろんな家電を見て回ることにした。


 ただ計画を練ってきただけあって、商品選択にはさほど悩まなかった。
ところどころ空いている店員さんに在庫を確認して、そして確保をすると次、また次。
テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、そしてパソコンと次々に決めて。
「ふぅ、これでいいかな」
「うん。あと、卓上IHクッキングヒーター買っといたから、お料理も簡単になるよ」
手には、持ち帰り商品の黄色いカゴ。その中にIHヒーターと、電池やらなんやら。
そして手を取り手近なカウンターに向かうと。
「あら、さっきの。欲しいもの見つかりましたか?」
あいさかさんだ。
「えぇ、何とか」
「そう、良かったです」
そう言って僕たちをカウンターに掛けさせる。
「担当の相坂です。よろしくお願いしますね」
名刺を差し出す相坂さん。だけど、理姫は冷たい目で。
「ふ〜ん。まだ相坂さんにお願いするって決めたわけじゃないですけど〜」
あくまでライバル心から来る皮肉だろうか。
だけど理姫はどちらかと言うと可愛い系キャラ。クールでかっこいい系の女性とは違うわけで。
(相坂さん、自分で言ってて虚しくなりません?)
(五月蝿いわね、あたしだって自画自賛したくはないわよ。出番減らすか理姫ちゃんヤっちゃうわよ!?)
(この変態不良物書きめっ!)
ところどころノイズが入ったのは気にしないで下さい。
「ところで、お二人はご結婚?」
「えっ」
突然の相坂さんからの質問。答えられずにどもってしまう僕に対して、理姫は。
「えぇ、そうです。もうお腹には彼の赤ちゃんがいるんです」
「…ふぅん。その割にはお腹を締めてるわね」
「ぐっ」
ニヤリ、としながら冷静に矛盾点を指摘した後。
「まぁ、おおかた、ご兄妹でしょ」
「あ、よく分かりましたね」
「ちょっとお兄ちゃんっ!」
あーあー聞こえない聞こえない。
とりあえず話が長引くのはヤだしね。ややこしくなるのも同様。
頬をカンペキに膨らましてそっぽを向いた理姫は放置の方針で。
「えぇ、まぁね。第一出産目前のご夫婦ならお子さんの将来を考えてもっと大き目の冷蔵庫洗濯機を買うはずだもの。それに」
「?」
「ご予算も控えめって所をみると学生さんでしょ。それも高校生くらい」
「…あ〜、全部お見通し…」
フロア長クラスにもなると、そんなのも一発で見抜いてしまうのだろう。
相坂さんの指摘に、理姫も完敗。ちょっと黙り込んでしまった。
微笑むと、一言。
「妹さんは大切にね。あたしは一人っ子だったから、弟妹ってとても尊いものだと思うわ」
ただ微笑みながらもちゃんと計算と配管図の確認をしているあたり、やっぱりプロだと実感させられる。
「最近の学生さんはお金あるのね。でも大丈夫?」
チラッと横目で心配してくれる。
もちろん、値引いてくれるならそれはそれで嬉しい。何しろこれは理姫のお母さんの遺産なのだから。
理姫の将来を考えると、無駄遣いしていいお金でもないしね。
「まぁ…仕方ないわね。妹さんへの餞別よ」
そう言って相坂さんは、レジをいじると。
「IHヒーターはお値引きしておきますね。あと、配送日も明日の配送で組んでおくわね」
「え、いいんですか!?」
目をキラキラさせて相坂さんに顔を近づけたのは、さっきまで敵愾心むき出し、挙句黙り込んでいた理姫だ。
そんな理姫に彼女は。
「お兄さんに朝ごはんやお弁当作ってあげるんでしょ?あって損するものでもないしね」
まったくあたしの幼なじみはたまにお弁当作ってあげても感謝もナシよ…と愚痴りながらも、ちゃんとお値引き。
「相坂さんっ、ううん、お姉さまっ!」
「あらあら、お姉さまなんて、照れるじゃない。ズルい子ね」
「はいっ♪」
あぁ、なんて安い妹なんだ、と思いつつ全部のお会計を終わらせ、打ち合わせ。
「配送時間は指定できないけど大丈夫?」
「はい。寮長さんがいなくても寮母さんに事前に内容は伝えてますから」
「分かったわ。本当は本人立会いが一番確実なのだけど、学生さんだし仕方ないわよね」
そして今日の夜に配送時間を伝える電話がありますという話を聞いて、僕たちの対応は終了した。
帰り際。
「あ、そうそう。帰ったら寮長さんによろしくね」
「え、あ、はい。でもどうして?」
「んー。苗字で気付いてくれると思ったんだけどなぁ」
「苗字で?」
そう言えば僕たち、あーちゃん先輩の苗字知らないや。
…ん、待てよ。
あーちゃん。
相坂さん。
あーちゃん…。
相坂さん…。
「まさかお姉さま…」
「えぇ、最初から知ってたわよ。寮長はあたしの従姉妹なのよ。昨日携帯に電話があってね」
もしかしたらちょっと女の子っぽい男の子と、凄い可愛い女の子の兄妹が行くかもしれないからよろしくね。
そういう話が事前にあったらしい。
「まぁ、予定調和というか、最初から乗せられてたのよ。まぁ予想より可愛い男の子でよかったわ♪」
それだけ伝えると、また一礼の後、書類を手に彼女は去って行った。
「…やっぱり敵ぃっ!」
「ちょ、理姫っ」
こっちもこっちで、掌返してたけどね。
(つづく)


あとがき

はい、あーちゃん先輩は相坂ではありません。ごめんなさい。
で、自分をSSに出すのって案外むず痒いわね。
なんと言うか、美化したら『自画自賛乙』になっちゃうし、かといって卑屈に描くのはあたしスタイルに反するし。

理姫ちゃんと理樹君の生活は安定しそうですが、そろそろ鈴ちゃんとのストーリーも展開させなきゃね。
…鈴ちゃんが見ている目の前で理樹君を犯しちゃう理姫ちゃんとか萌えそうな気がしないでもないような。
なんて邪な発想はありません。とりあえず物語を上手く終息させなきゃ。
ってことで、相坂でした。

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