心の奥底では、誰かのぬくもりを渇望していた。
ただのお友達ではなく、いつも隣にいてくれて、誰よりもわたしを分かってくれる人。
でも、お母様が死んでしまって、後見人様のお力添えで今日まで生きて来られた。
だけど、結局はお忙しい立場の身内。そして、特に何もすることがなかったから、勉強に打ち込んだ。
文武両道?そんな大層なモノじゃない。そうするしか、なかった。
だから、お母様が亡くなる前、教えてくれたお兄ちゃんという存在。それが嬉しくて、嬉しくて。
ダメな子だっていい、嫌われたっていい…あ、やっぱりそれはダメっ!
今は、ただお兄ちゃんのそばにいたい。お兄ちゃんと、この世界でたった2人の肉親として。


命短し恋せよ乙女理姫SS『It's gonna Sunny!!!-晴れたらイイねっ♪-』


 「…んぅ…」
「あ、理姫、起きたね」
「ふぇ…?」
帰りの電車の中、眠ってしまった理姫を背負っての帰り道。
昔恭介の無茶苦茶なミッションに付き合わされて疲れて寝てしまった鈴を背負って、途中で疲れて倒れて、
真人や恭介に笑われたことを思い出して苦笑い。でもあの頃とは僕も違う。
強くなったし、少しは鍛えているつもりだ。
それでも、理姫はやっぱり年頃の女の子。出るところは出て…って何考えてるんだよ僕っ!
「…重いよね、ゴメン」
「そんな。軽いよ、鈴に比べれば」
そこで、あっ、と思い直して口をつぐむが既に遅し。
「鈴さんって…リトルバスターズの?」
「あ、いや、その」
鈴のこと、口に出してしまっても…いいのだろうか。
もちろん、僕だってそれとなく分かっていた。自惚れではなく本心で。
---理姫はいい子だけど、人一倍嫉妬深いことも。
「鈴さんも、こんな風に、おんぶしてあげたの?」
「…昔だよ。昔」
「昔って、どれくらい?」
「…」
この尋問みたいな聞き方が一番嫌いだ。
何で、そんなことをいちいち妹に断る必要があるのだろうか。
強く言えない自分がそれ以上に嫌いだ。とりあえず、理姫を軽く揺らして、話をはぐらかす。
「もうずっと昔だから忘れたよ、あ、ほらタコ焼き売ってるよ。買って帰ろうか」
「うーっ。わたしは、そんなことより…それにタコさん、嫌いだもん」
「ウソだぁ」
「ホントだよぉ…」
後から聞いた話では、昔修学旅行で行った旅館でタコの踊り食い体験というのがあったらしく、
吸盤で相当酷い目にあったらしい。どんな学校だ…。
「…でも、今はこの背中、わたしだけのモノなんだね…」
「…」
少なくとも、誰のものでもない。
ただ、こうするしか方法がなかった。そんな汚い自己弁護に走ってしまう。
「…あ、よだれ付けちゃったっ!」
「あ、いいよ、後で拭くからっ」
だから暴れないで。必死で拭こうとする理姫を宥めながら、見上げた星空は、薄曇。
明日は雨かもな。そう思いながら、たこ焼きの香りを受けて、駅前の大通りを一路寮に向かうバス停へ歩いていった。


 翌朝。
天気予報はやはりウソを吐かなかった。
「雨か…」
いつもの差し込む朝日ではなく、雨音で目を覚ました僕は、部屋に漂ういい香りに意識を覚醒させられた。
「…」
「〜♪」
嬉しそうな鼻歌。そして。
「あ、お兄ちゃん、朝ごはん出来てるよ」
「…?」
朝ごはん?それは学食…。
といつものクセでボケをかましてすぐ気付く。
「あぁ、そう言えば」
「うんっ♪」
昨日IHクッキングヒーターとか買ったんだった。
…なぜか炊飯器も置いてあるのが気になるけど。
「あ、これ、昨日の電気屋さんのポイントで買ったの。可愛いでしょ」
その言葉の通り、炊飯器にしては珍しく、薄いピンク。
…しかもちゃっかりIHが入っているというニクいヤツだ。
「あの店員さん、すごくイヤな人だったけど、これが買えたし、許してあげるよ♪」
しかも現金な妹だった!
「ま、まぁそうだね…」
「うんっ」
でも低血圧な理姫だけど、さすがに1週間経てば慣れるものなのだろうか、今日はしっかり起きている。
そして丸テーブルの上には2人分のお弁当。今朝もちゃんとやってくれたみたいだ。
「でも無理しなくていいからね?キツい時は学食で我慢するから」
理姫のご飯のほうが絶対美味しいけどね…そう小声で付け加えておく。
「そうだよね〜。やっぱり妹だから、お兄ちゃん好みの味付けが本能的に引き継がれるのかなぁ?」
しかも小声で言ったほうをしっかりキャッチしていた!
いろいろツッコミどころが満載だけど、とりあえず機嫌を損ねるのもあれなので、とりあえず椅子に座る。
「あ、先に顔とか洗ってきていいよ?」
「ん〜。まずはご飯かな。匂いでやられちゃって」
「お兄ちゃん意外に食いしんぼさんなんだね〜。いいよ。さっさと準備しちゃうね」
すると普段ののんびりした姿と口調からは想像できない手際で残りを始末。
…能ある鷹は爪を隠すとは、こういうことを指すんじゃないだろうかと真剣に考えてしまう動きだ。
「ねぇお兄ちゃん」
「ん?」
差し出された味噌汁を受け取り軽く啜る。うん。かつおだしが効いてます。
「裸エプロンのほうが良かったかな?」
啜って2秒で器にリバースって、どんなドリフのコントだよ。
「っけほっけほっ!り、理姫っ!不意打ち禁止っ!」
「〜♪」
嬉しそうだ。心底嬉しそうだ。
押し倒せるくらいの開き直り精神があったら、こんなことないんだろうけどねって何言ってるんだよ僕っ!
「でもお兄ちゃんってやっぱり面白い♪」
「放っといてっ」
とりあえずもうこんな夫婦漫才に付き合ってたら遅刻しちゃうし、さっさと食べて準備してしまおう。
…言っとくけど夫婦じゃないからねっ!


 朝食を終え、着替える。
顔を洗い、歯を磨き、制服に着替えるいつもの動作。
そして脱衣所のドアを慎重に開け、理姫が着替えてないのを確認して外に出る。
「そんなに警戒しなくてもいいじゃな〜い」
「いやいやいや本当に心臓に悪いから…」
「む〜っ」
頬を膨らましそっぽを向いてしまった。
…でもしっかり出るところ出ている理姫の身体を直視すると、それはそれでイケナイ気持ちにって相坂さんっ!
(いいじゃない。少しくらいイジワルさせなさいよ)
と、理姫が何かに気付き、僕に歩み寄る。
「ん?」
「ネクタイ、曲がってるよ」
「ん…」
しっかり結んだつもりでも、鏡と自分の手って案外役に立たないこともあるのだろう。
少なくとも理姫からみたら曲がって見えたらしい。
「〜〜〜♪」
でも、なんかお嬢様学校だったらしいから。
『あら、理姫さん、タイが曲がっていてよ』
『お、お姉さま…お戯れを…』
『ふふっ、淑女たるもの、身なりは常に清楚に…ね』
『あぁっ…』
なんて展開があったんだろうか。
「あら理樹さん、タイが曲がっていてよ。な〜んてね」
しかも兄妹で考えること同じだった!
「あれ、どうしたのお兄ちゃん?」
「あ、うん。なんでもない」
「?」
怪訝そうな顔だけど、まぁ放っておこう。
そんなこんなで、僕らは部屋を後にした。


 「よぉ理樹」
「あ、おはよう真人」
「元気そうで何よりだ」
「謙吾もね」
途中で真人と謙吾に出会う。
犬猿の仲だけどやっぱり幼なじみ。何だかんだでいっしょに登校するようだ。
「あ、えと…」
だけど、ただ唯一の例外として、理姫は相変わらず彼らに慣れていない。
今までずっと女子校で、男子との関わりが極めて少なかったのが原因でもあるけど、それにプラスしてこの巨体だ。
怖がらないわけがない。
「なぁ理樹よぉ。オレは嫌われてるのか?」
「いやそんな事はないと思う。ただ」
人見知りをしやすいこと、そして単に女子校出身ゆえ兄以外の男子との付き合い方を知らないだけ。
謙吾はそれとなく納得し「まぁ、お前のペースで合わせるといい」と理姫に一言。
真人は最後まで納得していないみたいだったけど、とりあえずいきなりディープな付き合い方ではなく、少しずつ、ということは
理解してくれたようだ。
「しかしよく降るな」
「うん。早く教室に行こうよ」
「そうだな」
「…」
雨を優しい目で見つめる理姫の手を引き、僕らは教室への道を急いだ。

「…井ノ原×直枝妹…全然ちっともこれっぽっちも美しくないです…」
「ふぇ?みおちゃん〜?」
こんな光景が見られたというのはまた別の話。


 登校するなり、廊下ですれ違う男子みんなが理姫に見とれ、僕に殺意の篭った目を向けてくる。
「・・・」
これはこれで苦痛です。救いはないんですか?
それは教室に入った瞬間も変わらず。
「ハイル・リヒメー!」
「理姫様っ!何なりとご命令をっ!」
「理姫ちゅわ〜んっ!」
「ハァハァ。理姫君、おねーさんといいことしないか?」
…来ヶ谷さん、貴女は何をしているんですか。
てかその取り巻き集団は?
「うむ。私の意志に共感した肉弾戦士たちだ」
「「「ハイル・リヒメー!」」」
…あぁ、つまりその手のラノベとかで有名な○○○ちゃん親衛隊、って奴だね。
冷静に突っ込んでる僕も僕だけど。
「…」
理姫、凄い引いてる…。
「む。不評だったようだな」
「そりゃそうだよ…」
いちいち説明するのも面倒だ。ともあれ一応理姫がそういうの慣れていないということだけ伝えておく。
親衛隊(非公式)のみんなも肩をすくめて去っていく。ゴメン。来ヶ谷さんの気まぐれに振り回されて災難だったね。
「理樹君、余計なことをしてくれたな。私の面目丸つぶれではないか」
「こんなことで潰れないでよ…てか潰さないでよ…」
「……何だと貴様」
「いやいやいや」
理不尽な怒りだ。
それに対し、理姫が公然と立ちはだかる。
「ん。どうした理姫君。おねーさんとハァハァしたいのか?」
「…お兄ちゃんを、悪く言わないで下さい。それだけです」
「あ、いや、私はだな…」
「あなたにお兄ちゃんの、何が分かるって言うんですか?」
こんなに圧倒されている来ヶ谷さんを見るのは初めてだけど、理姫も理姫だ。
「理姫、いいよ。いつものことだし」
「…いつも、お兄ちゃんに侮りをしていたんですか、来ヶ谷さん?」
「…理姫君。それはつまり、私の生き方、人との触れ合い方を否定すると受け取っていいのだな?」
うわ…なんかよく分からないけどただならぬ雰囲気。
たまらず間に割り込む。
「まぁまぁ。理姫、言いすぎ」
「理樹君。私は理姫君と話しているのだ。外野はすっこんでいろ」
「話すことなんてありません。来ヶ谷さんがお兄ちゃんに一言謝れば済む話じゃありませんか」
「ほう。おねーさんそろそろ本気でキレそうだ。いいのか、小娘?」
「えぇ。これ以上お兄ちゃんの負担が大きくなるのであれば、ここであなたを除きます」
「ふむ…本気のようだな。どれ、一つ灸を据えてやろう」
「ちょ、来ヶ谷さんっ!」
理姫も理姫だけど、来ヶ谷さんもっ!
さすがに止めに入るけど、もう時既に遅し。
「あぁ、恭介氏か。今すぐ2-Eに来てくれ。あぁ、例のアレだ」
「きょ、恭介っ!来ちゃダメだからねっ!」
しかしその言葉が届くこともなく、電話は切られた。
「なぁに。殺しはしないさ。ただし、地を這い蹲る苦しみは味わってもらうぞ」
「…」
たまらず僕は、手を上げていた。
「理姫の代わりに…僕が謝るからっ!それがダメなら、僕が謝るっ!」
「理樹君…」
「お兄ちゃん…」
理姫には悪いけど、僕は理姫の兄だ。
兄が妹に怪我をさせるなんて、許されるわけがないから。
「…理樹君。それなら私が振り上げたこの拳は、どこにぶつければいい?」
「えっ」
と、次の瞬間。
バキィッ!
掃除用具入れに大穴が開く。
「…この怒りをぶつけられるのは、最早張本人同士の戦いだけなのだよ」
「……」
身震いが止まらない。それでも。
「ならその鉄拳、僕に打ち込んでよ」
「…死ぬぞ?」
「死んでもいいっ!少なくとも妹を、何より女の子を、見捨てて逃げる兄より数万倍いいからっ!」
「…」
ならば慈悲だ。内臓破裂程度で許してやる。
振りかざされる拳は。
「おっと。俺を呼んでおきながら、勝手に当事者で解決するなよ」
「…恭介氏」
「恭介っ!」
本音を言うと、凄く怖かった。
あんなパンチを食らって、生きていられる保証もなかったし。
だけど、理姫があれを食らって死ぬくらいなら。いっそ僕が死んだほうがいいと思った。
なんで、まだ出会って一週間の妹にここまで感情移入できるか、僕自身分からずにいるけど。
ともあれ、恭介の仲介で、直接肉弾戦ではなく、『あのルール』適用のバトルに移行した。


 「それじゃ、投げ込めっ!」
「「「「「「「「「「おーーーーーっ!!!」」」」」」」」」」
次々と投げ込まれる武器たち。中には最早武器と呼べるか疑問なものもあるが。
「うむ。ではこれにしよう」
来ヶ谷さんが手にしたのは。革製の鞭…いや、男子生徒のベルトだろう。
「おい桜木、お前なんでズボン下がってんだ?」
「ふっ……来ヶ谷の姉御のピンチを救うなら、ズボンが下がるくらいなんてことはないさ…」
どうやら隠れ来ヶ谷ファンだった!
「ふむ…」
と、思案顔の恭介。次の瞬間。
「変則バトルにしよう。理樹、理姫と組め」
「「はぁ?」」
「おっ、兄妹でわけわからんポイントだな。しかも同じタイミング」
いやいやいや。はぁ?と言わざるを得ないから。
「恭介氏、どういうことだ」
来ヶ谷さんも不満なようだが、恭介はあくまでいつもの爽やかな顔だ。腹立つくらい。
「簡単だ。来ヶ谷の得物の攻撃範囲と腕力を考えれば理姫なんて一撃だ。それじゃつまらないだろう」
「だからあえて理樹と理姫のタッグバトルだ。理樹一人増えたくらいじゃそこまで変わらないし、2人同時の屈服も面白いだろ?」
恭介、さらりと言ったみたいだけど、聞き逃さなかったよ。殺意を覚えたけどね。
「ふむ…。それならいいだろう。ただし負けたら分かってるな、理樹君?」
「…」
「足を丁寧に舐めてもらうなんて当たり前だ。最早命すら賭けの対象にならないくらい貶めてやろう」
「…させません。お兄ちゃんは、私が守ります」
自信満々の理姫。手には、誰かが投げ込んだ『魔法少女のステッキ』。
僕も渋々、バトルに…。
「って恭介っ!?僕武器ないよ!?」
「あぁ、突然のことだからな。素手で頼む」
「そんな無茶な!」
素手で来ヶ谷さんに勝てるわけがないっ!
と言う前に。
「バトルスタートっ!」
あぁもうっ、恭介後でコロスっ!


 「ふん、断罪してやろう」
空を切る鞭…もとい桜木君の私物のベルト。
何とか防御で耐える僕。だけど、凄い痛い。もうこの一撃で死ねそうなくらい。
「ぐぅっ!」
「お兄ちゃんっ!」
「トドメだ」
一気にたたみ掛けようと僕に接近する来ヶ谷さん。あぁ、僕もう終わったな…。
しかし、鞭はいつまで経っても僕に振りかざされない。疑問に思い目を開けると。
「な…」
「…」
理姫がガードしていた。それも魔法少女のステッキで。
でもおかしい。
さっきまで僕の後ろ30mにいた理姫が、僅か1秒で来ヶ谷さんの前に…。
「ふっ、やるな」
「お兄ちゃんは、死なせないっ!もちろん、あなたなんかの下僕にも、させないっ!」
まるで魔法少女のアニメでも見ているのか、とあっけに取られていると。
「っ!」
あの来ヶ谷さんが弾かれて後退した。
「ふむ、どうやら見くびっていたようだよ、キミの実力を。本気で潰せそうだ」
「…命が惜しくないなら、来るといいです」
「言っていろっ!」
来ヶ谷さんも楽しいのだろう。久々に本気を出せる相手。ニコニコして地面を蹴った。
「っ」
同時に理姫も動く。
「おい、姿見えたか?」
「いや…ハイスピードカメラにも映ってねぇ…」
「ってことは決定的パンチラもなしってことかよ…トホホ…」
自重すべき外野はとりあえず放っておこう。
「はぁッ!」
バシィッ!
来ヶ谷さんが捉えたのは、壁。
「何っ!」
「遅いっ!」
ステッキが後ろから襲い掛かる。すんでのところで回避する来ヶ谷さん。
初めてだ。あの人がここまで押されているのは。
「…もう、終わりですか?」
「それはキミのほうではないか?息が上がっているぞ」
「そんなこと、ないです」
でも肩で息をしているのは事実だ。身体が弱いはずの彼女だ…まさか、とは思うが。
「…次で、トドメです」
「ほう。つまり次外せばキミにもう打つ手はない、ということだな」
「…」
その可能性もある。もし、もしも、だ。
「(僕が上手く来ヶ谷さんが回避する軸線上に先回り出来たら)」
そうして、理姫と目配せする。
「…」
大丈夫。お兄ちゃんに合わせるよ。
目が、語りかける。もう迷いはなかった。
高速で襲い掛かる来ヶ谷さん。それをいなし、後ろから襲い掛かる理姫。
それをかわした先にいたのは、僕。
拳が、来ヶ谷さんの鞭を捉え、そして手から叩き落とした。
「…っ」
「僕たちの、勝ち、でいいよね?」
「…あぁ。勝者、理樹アンド理姫ペア!」
うぉぉぉぉ〜〜〜と巻き起こる歓声。それはやがて怒号へと変わる。
理姫が、倒れたのだ。
それも、血を吐いて。
「理姫っ!?」
「理姫君っ!?」
あの来ヶ谷さんに動きを合わせたのだ。
常人の、まして身体の弱い理姫にダメージがないわけがない。
「っ!」
「理樹っ!」
気が付けば、僕は理姫をお姫様抱っこして、走り出していた。
「絶対に助ける…死なせるもんか!」
もう、誰の声も、耳に入ってなどいなかった」
(つづく)


あとがき

さて、ここまではお約束の流れです。
本当は理姫に魔法を使わせようと思ったのですが、ここ虚構世界じゃなかった。
だから理姫を韋駄天にしてみたのですが、血吐いて倒れるのもお約束。
さて、このお約束をどこまで壊せるかが勝負ですね。
今回は来ヶ谷さんに悪人の役回りをしてもらいましたが、次回は…?
相坂でした。

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